たんぽぽ組 子育ての輪

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 たんぽぽ組“子育ての輪”を紹介させてもらいます。 たんぽぽ組でも日常的に親と父母・親同士が話し合える関係を大切にしたいと思っています。しかし,仕事や生活の忙しさもあってなかなか伝えあるということは大変です。

 ゆりかご保育園では,親との“共育て,共育ち”を実践していく上でクラス懇談会は大切な位置をなしてきました。

<11月のたんぽぽ組クラス懇談会>

 親たちの今の思いを取り上げ,クラスでの話題にしてみようとアンケートをとった中にこんな投げかけがありました。

 今の社会は,物が豊かになり代わりの物が簡単に手に入る時代です。その中にあって,子どもたちはがまんをする経験が少なくなっているのではないだろうか。我が子の子育てでも,食べ物や着る物は「これイヤだ」と言われるので,ついそれに代わるものをさがして与えてしまうので泣かれて困ることにはならないのですが・・・・・・私が小さかった頃は,母がいろんな場面でがまんさせてくれて気がします。今は物があって当たり前って気がするし,子どもにも伝わっているような感じです。

 二歳ぐらいの今の時期どこまでがまんさせたり自己表現させたりしていけばいいのか?また,便利で機械化されている世の中に育っていて,感受性豊かな心がそなわっていけるのでしょうか・・・。

 今の時期が今後の人生の土台になっていくような気がするだけに接し方に不安もあります。

 クラス懇談会の中では,それぞれの親たちから,自分の子育てでの体験談が伝えられました。(その一部ですが)

  • がまんさせることも大事だけれど「したかった」という気持ちを親として受けとめたい。ぼくの気持ち,わかってくれたんだということが伝わっていれば・・・
  • 何でもいいときばかりじゃなくて,ダメな時はダメ,どうしても無理なときもあるということを伝えている。わかってくれるまでの労力,親はパワーがいる。
  • 東京の友人の子がカエルを見に来た。その子がとても都会的で大人っぽかった。オモチャを選ぶときも刺激的なものを選んでいた。北海道で北大のそばで育っていると大丈夫!ちゃんと育っていると思う。
  • 小児科病棟に勤務。ベッドのまわりにはオモチャでいっぱい。今の子どもたちオモチャがないとあそべないのかな〜。保育園の子たち,いろんな創意工夫,豊かな心が育ってきている。
  •  みんなからの報告は,まさに園長が言われたように“子育ての知恵袋”でした。

     この日のクラス懇談会も,時間が足りなくて話し合いの物足りなさが残っていたように思います。それで,この続きを『クラス便り(クラス交流編ークラス懇の感想)』にしてみることにしました。またまたたくさんの人が思いを文章にして下さいました。その一部も紹介します。

     感想を書かせていただきますと,二人目三人目の先輩お母さんたちには,上の子(長男・長女)のことについて聞きたかったのです。上の子が大きくなっていくことで,小さい頃のしつけがどのように子どもに影響していったのか,どう育っているかっていうことに興味がありました。兄弟がいる家庭の下の子は,上の子の姿を見るわけだから,そんなに手はかからないと思うから,私は下の子を育てることよりも,すべてが初めてのままずっと接する上の子のこと,または一人っ子に今回のテーマをもっていってほしかったです。

    R(母)


     その子その子によっていろんな差もあるし,きっかけも違うと思うけど今みんなこうなのかなと思ってちょっと悩んだりしていることは近い将来必ず解決するんじゃないかなって思う母です。我が家の場合は,Kちゃんのここ(例えば頑固なと子)が困ったちゃんだナ,と思うことはありますがそれよりもそんなKちゃんがかわいい(^_^)と思ってしまう親バカ状態です(特に父が・・・)。一人目,二人目,三人目とそれぞれいろいろ違うけど,だから子育てって楽しいのではないでしょうか!?こうあるべきとか,こうしなくっちゃいけない!!っていう部分をできるだけなくして楽しく子育てしたいナと思っています。
     クラス懇でいろんな姿が聞けてとても楽しかったですョ(^_^)。

    S(母)


     自分を振り返ってもそうですが,ひとりめの子育ての時は,何もかもが始めてで,「どうしよう?」「どうしたらいいんだろう?」「これで本当にいいの?」と,いつも考えていたように思います。そんな私が,今,わりと余裕をもって子どもと関われているのは,まず家族で子育てについてよく話をしたこと,そして,やっぱり保育園で知り合ったお父さん,お母さん,保母さんからのアドバイスのおかげだと思います。
     私は黙っていられない性格なので,何でも相談してきました。そうする中で「えー,うちもそうだよ。でもこうしてみたら,こうだったョ」とか,子育て経験豊富なお父さん,お母さんから「上の子の時はこうだったョ」なんて話を聞くこと,園での生活を見ていて下さる保母さんから「今はこうだけど,こんな風に変わりつつあるから,もう少し見守っていきましょう」という心強いアドバイス,みんなに協力してもらって今があると思っています。
     困ったこと,悩んでいること,なんでも口に出してどんどん話をすることで,そんなにキリキリしないで子育てできるんじゃないかなァーと思っています。

    K(母)


     子どもが二人となってわかったことですが(それでもきちんと実践はできていないと思いますが),それぞれの月齢に応じたしつけというものが大切であり,それを考えないしつけというものは,無理な我慢を強いたり,子どもを押さえつけてしまうということにつながってしまうのではと思います。
     もちろん交通ルールとか年齢に関係のない「子どもには関係のない外部からの危険」のようなものは例外としてありますが,基本的には,その子の持つ力を自由に伸ばしてあげる,そういう感じの中でのしつけを出来たら良いなと思っています。

    B(父)


     Rちゃんのお母さんにとても大切なことを投げかけてもらったと思っています。そして,皆さんの経験や感想は大きな子育ての輪をつくっています。
     この時期の子どもが安心して自分の思いを出すこと,その思い(主張)を大人がどう受けとめてあげるかが幼児期の後半(四歳半〜六歳)に獲得していく力の土台となるようです。
     四歳半をすぎる頃になると“自分”の中にいるもう“一人の自分”と対話させながら,自分で選んで判断したり,決定していく力をつけていきます。仲間関係の中で育まれていくのです。
     たんぽぽ組の子どもたちもその土台の時を迎えているのでしょう。

    保母


     この『便り』をよんでまた感想が投げかけられてきそうです。

    <追伸>
     園外,いえいえ園内の方々にもこの誌面に参加してもらい,意見・体験談での交流が出来るといいなぁ〜と思っています。

     園外の人たちの子育てに関わる思いや情報などもこのゆりかごページを通して,発信されるのもいかがでしょうか。

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